2021年9月3日金曜日

フルMDF・4SPオーディオ制作【塗装と完成編】

 

前回の作業でパーツを組み付けて背面のMDFを貼り付けましたが、やはり貼り合わせ部分には修正が必要でした。また貼付け時に出来た隙間を埋める為にも木製パテで修正しています。この作業があるので、最初の塗装はパーツを付ける面だけにしておいたのです。

そして・・・実に長かった【フルMDF・4SPオーディオ制作】編も、これにて完結となる事をまずは記しておきます。

まずは面積の大きい背面から。以前にも行ったように荒いスポンジでスジ状の塗装をしてMDFの下地が見えなくなってからから、今度はポンポン塗装で鉄感を出します。逆にこのスジ状(木目調に見えなくなもない?)が良いと思う方は、スジの黒よりも薄い色で下地塗りを施した後に、このスジ塗装を行った方が良いかと思います。画像のままだと色の薄い部分はMDFの下地が出ていると言う事なので、防湿効果は薄いのでは?と思います。

塗装が乾いてから「マッドバーニッシュ」にてつや消しの保護塗装を行います。塗装面が凸凹しているのでローラーで施工すると空気が入って画像のように泡立ちます。ですが、時間を掛けて乾燥させると空気が抜けて透明になるのでご安心を。ローラーを使う事でハケ目が出ず綺麗にマットな仕上がりになります。

同じ要領で、残りの面を塗装していくワケですが・・・そのまま塗装しても「ただの黒い箱」が出来上がるだけなので、ここでちょっとした工夫を施してます。画像では確認しづらいかもしれませんが、実は更なる鉄感を出す為に各角へ「ラメ塗装」を施してあります。

今回の塗装で扱ってる「メタリックペイント」なんですが、黒い塗料にラメが入って鉄感を出しているのですが・・・表現したいのは新品の鉄感ではなく、使い古しの鉄感。いわゆる「アンティーク調」ってヤツですね。その為に必要なのは「適度の擦れ感」でして、それをどう表現したら良いのか色々試しました。

まず、白や黒の下地を塗ってからメタリックペイントを塗ると・・・下地の影響が出て鉄感が出ない。それならばとメタリックペイントの2段施工で全体の塗装は上手く出来たものの、問題は「角の擦れ感」です。擦れ感は元の色より明るい色合いになればアンティーク感が出て来るので、右にあるシルバーのメタリックペイントを角にだけ施工したのですが・・・今度は明るすぎて黒のメタリックペイントとのバランスが取れません。いわゆる「自然な擦れ感」が表現できないのです。どうしたものかと試行錯誤していた時、スポンジ施工で偶然にも一部分だけラメが強く塗装されている場所を見つけました。その時の作業を思い出し、再度実験・・・そうかっ!

ポンポン塗装で角だけ多めにポンポンする事で、塗料に含まれるラメが表に出て来る事を発見したのです。

そこから更にメタリックペイントを少しだけ薄めてから施工する事で粘度も下がり、よりラメ感が強く出る事を見つけた時は感動すら覚えました。この方法を使えば角だけではなく、平面にもランダムに施工する事でよりアンティーク感を出す事が可能ですから。

・・・え~、そんなワケで実は前回の塗装の時からこの方法で塗装を行っておりました。今まで黙っててすいませんw

話を本題に戻しまして・・・無事に塗装を終えましたが、気になる点と言えば側面にある充電用のMicroUSB端子ですね。こちらは端子をマスキングテープで覆った状態で塗装をしてますので、塗装が終わったらマスキングテープを剥がせば良いだけ。とは言っても上には塗料が乗ってますのでカッター等で切り取った方が周りの塗装を剥がさずに済むかと。決して、この端子の事を忘れていたワケではありませんので、あしからずw

最後は底板にある電源スイッチ分をかさ上げする為にガラスタイルをインシュレーターとして貼り付け。「インシュレーター」とは設置場所でエンクロージャ以外の音が響いてしまうのを防ぐ役割りがあり、今回使っているのはガラスですが接着にスポンジを使用しているので過度な振動は伝わらないはずです。

逆に、何も考えなかった電池ケースの蓋なんですが・・・音を鳴らすとエンクロージャが響くのかヒビリ音が出るんですよ。その原因がこの蓋にあったので、両端に隙間テープを貼って蓋がヒビらないようにしたら直りました。完全密封でウーファーの低音をパッシブに伝えているので、その振動が電池ケースから蓋へと影響を及ぼしていたようです。だからこそ、インシュレーターもまた必要だったと言えるでしょう。


自身の拘りを詰め込んだ【フルMDF・4SPオーディオ】が、やっと完成致しました。

初のフルMDFで設計図から始まり、パーツの選考からテストを経て・・・気がつけば当初の計画から1年近く経ってました。途中空いた期間があったりしましたが、何とか心折れる事もなく自分でも納得の出来る音質を奏でられる1台を作り上げれた事に、感無量と言う表現がピッタリかと思います。

もっとお金を出せば良い物は作れるでしょうし、それなら市販品を買うのも良いでしょう。ただ、そこには「満足感」はあっても「充実感」はないと思います。自分で苦労して作った物だからこそ分かる「音色」が、そこには響いているのですから・・・。



・・・ってカッコいいセリフを書いておきながら、実は「終わりの見えない最後の計画」はすでに発動していたりするw

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